震災、そして復興へ―気仙沼ブロック(気仙沼処理区)の災害廃棄物処理業務

東日本大震災で未曾有の被害を受けた、宮城県気仙沼市。
大津波、大地震は現地に深い爪痕を残した。
被災地で当社ができること、当社だからできること―
それが、被災地における、災害廃棄物焼却のための仮設焼却炉の
建設と運転管理だった。前例のない事業に悪戦苦闘しながらも
突き進んできた、1年余りの軌跡を追う。

活動内容
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1.気仙沼地区の復興のために

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震災の爪痕が深く残る気仙沼市内

大地震発生から約1年が経った2012年5月。大成建設株式会社東北支店を代表企業とする特定業務共同企業体より、災害廃棄物処理業務(気仙沼ブロック気仙沼処理区)を受注。運転開始までの期間が短く、急ピッチに計画設計から土木・基礎工事に着手しなければならなかった。

2.建設工事スタート

写真 階上地区建設地。大地震で地盤沈下が 起こり、大潮になると路面は冠水する

5月末、受注後に設計を開始。階上地区と小泉地区の2ヶ所に同時並行で建設される仮設焼却炉。前例のない短工期への挑戦が始まった。ミスによるタイムロスは決して許されない。設計・工事両部署は密な連携を取り、最短期間で施工を完了させるべく奔走した。

3.現地での従業員採用を開始

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現地採用者は、運転経験者の指導のもと機器操作を習得していく

被災地の復興支援において、地元の雇用創出も大きな意味合いを持つ。募集の呼びかけに、世界中の海を知る元漁師や地元再興に向けて帰郷した者など、復興を願う強い想いが求心力となり、多岐にわたる経歴を持つ者たちが集った。採用決定後は、全員がごみ投入作業に必要となる車輛系建設機械(整地)3トン以上の技能講習を受講。手探りながらも前進の手ごたえを感じた。

4.全社一丸となっての建設工事

写真 全社一丸となってプラント建設が進められた

11月に各所の所長2名が入所。それに副所長、班長、副班長が続いた。翌12月には全国各地から16名の運転経験者が気仙沼に集結。東北地方の厳しい冬、度重なる余震の発生、遅々として先の見えないライフラインの復旧…テレビや新聞では伝えきれない被災地の現状を肌身に感じ、復興支援の難しさを思い知ることとなる。

5.震度5の地震発生、そして津波警報

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余震が起こるたびに、3.11の記憶は否応なしに蘇る

12月7日、三陸沖を震源とする震度5弱の地震が発生。津波警報が発令し、従業員たちは2キロ先にある高台の中学校まで一目散に走って逃げた。幸い大きな津波は起こらなかったものの、なおも収まりきらぬ大震災の余波を感じる出来事となった。

6.プラントの試運転が開始

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無事に完成した階上地区

プラントの完成後、試運転が始まった。
寒風吹きすさぶ東北の冬のさなか、外壁が無い剥き出しのプラントに様々な想定外のトラブルが発生した。
冷たい外気に晒され配管が凍りつく。地元採用の従業員に地域の風の向きを教えられ凍結対策を施す。
凍りがちな足元、舞う雪が強風と共に全身に吹きつけ、作業時にしばしば立ち止まってやり過ごした。
厳しい寒さでの作業の中で「なんとかなる、なんとかしよう」との思いで従業員が一丸となって作業に取組み、工程通りに試運転を終了。本格的ながれき処理が始まった。

7.安定したがれき処理へ

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限られた時間の中で着実に災害廃棄物処理に努める

がれきには燃やしやすい木くず類だけではなく、通常の都市ごみには含まれていないようなものも多い。
前段で破砕・選別され、焼却可能な可燃物のみが炉に運ばれてくるが、それでも処理困難物が多く含まれている。
安定稼働のためには、がれきの特徴を知り、安定した燃焼を調整する必要がある。試行錯誤を重ねて調整方法を見出し、今では安定した燃焼と排ガスの処理を継続している。
津波による大量ながれき処理は当社にとって初めての経験であり、学ぶところも大きい。困難に直面しても、復興への一助となりたいという思いから、創意工夫により対策を講じることができた。地域に安定した生活が戻るようにこれからも貢献していきたい。

メッセージ:プロジェクトを支える思い。

限られた時間の中で、街の再生に貢献する

震災から2年が経ちますが、被災地はなおも苦難と闘い続けています。復興の第一歩となるのが、大量に発生した災害廃棄物を一掃すること。当社は2012年5月に気仙沼市内2地区における災害廃棄物処理業務を受託しました。与えられた処理期間は、わずか1年足らず。災害廃棄物処理という使命を全うすることが、私たちの復興支援になるのです。
復興支援は、地元に根付いた活動でなくてはいけません。そのため、プラントの運転スタッフの半数は地元で新たに採用しました。当社と地元との連合軍で、気仙沼の新しい街づくりを一日も早く実現するべく、頑張っていきます。

営業本部 理事 渡邉 和啓
営業本部 理事
渡邉 和啓

気仙沼の厳しい寒さにも負けず

震災復興のプラントが建設されると聞き、自分が役立てるのなら、と現地へ出向くことにしました。試運転から気仙沼にやってきたのですが、マイナス10度にもなる寒さには驚きました。寒すぎて油圧装置が動かなくなったり、グリスが硬すぎて充填できなかったり…数え上げればきりがありません。それでも、短期間ながら共に働いた仲間もでき、被災地の支援につながる充実の日々を送れたと思っています。

福島あらかわ管理事務所(前 気仙沼小泉管理事務所所長)浅野 一大
福島あらかわ管理事務所
(前 気仙沼小泉管理事務所所長)
浅野 一大

果たすべき役割をしっかりと全うしていきたい

当社のストーカ炉は、災害廃棄物処理工区の中の一角に過ぎません。毎日運び込まれる大量のガレキは、選別工程を経て分類されます。その中の、可燃分を私たちは処理しているのです。焼却業務が滞れば工区内のすべての作業に影響を及ぼしてしまうため、その責任は重大です。所員一同、高い使命感を持って日々、業務を遂行しています。工期終了まで、無事故・無災害で完走できるよう、頑張っていきます。

気仙沼階上管理事務所 所長  小熊 清志
気仙沼階上管理事務所
所長 小熊 清志

気仙沼赤岩港水産加工団地のスマートコミュニティ構築事業

 2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市の水産加工団地が、復興にあたりスマートシティとして復興する取組み(「赤岩港 エコ水産加工団地プロジェクト」※1)に、当社は新電力(PPS)※2として参画しています。

 このプロジェクトは、地元の水産加工企業9社が事業主体となり、新電力と連携し、水産加工団地自らがかしこい需要家としてエネルギーマネジメントを行う。

 水産加工団地の9社11工場には、電力の使用状況を監視、制御する工場エネルギー管理システム(FEMS)を導入。9社のエネルギー使用量を統合制御する地域エネルギー管理システム(CEMS)とも連携し、地域全体で節電と電力料金の低減を図ります。当社は東北地方の清掃工場(ごみ発電施設)等で発電された電力を割安な料金で水産加工団地向けに供給します。

※1)被災地被災地を対象とした経済産業省の補助金事業「スマートコミュニティ導入促進事業」の1つ
※2) 特定規模電気事業者のこと
平成12 年より電力事業に対する参入規制が順次撤廃され、地域の電力会社以外に電力小売事業に新規参入した「契約電力が50kW以上の需要家に対して、一般電気事業者が有する電線路を通じて電力供給を行う事業者」(資源エネルギー庁)のことを「新電力(PPS)」と呼び、各地で小売事業を展開しています。
荏原環境プラントは、2009年度から特定規模電気事業者として国に登録し、事業を行っています。

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