オペレーション・メンテナンス
遠隔サポート
これまでの廃棄物処理施設は、経験豊かな運転員の技術と五感により安定的な運営が行われてきました。今後さらなる低炭素で環境負荷の低い安定した施設運営が求めるとともに、労働人口の減少や働き手の多様性への対応を進めるためには、人の技能によらない高度な運転制御技術が必要となります。さらなる安心・安全・安定な施設運営を実現し、社会的責任や地域への貢献を果たしていくために、AIやICT、IoT等の最新技術を最大限活用することが不可欠です。
ごみ焼却施設の運用の更なる安定化・高度化に向けて、2016年6月に藤沢遠隔サポートセンター、さらに2018年6月には羽田テクニカルサポートセンターを開設し、ごみ焼却施設のリアルタイムでの運転支援サービスを開始しました。
藤沢遠隔サポートセンターでは遠隔での運転サポート業務専属のオペレータを配置しリアルタイムでの運転支援を行い、羽田テクニカルサポートセンターでは専門技術者が制御パラメータの調整やメンテナンスサポートなどを行っています。それぞれの立地の利点を生かして機能を分担し遠隔サポートを行っています。


藤沢遠隔サポートセンターの
主なサポート内容
1.警報監視
重要警報発報時に適切な対応が行われているかをモニタリング。異常値・警報等の見逃しやオペレーションミスの発生を防止。
2.警報管理
週単位で警報の発生回数、警報とその実現象を分析し対応要否を整理。重要度の低い警報を抑止し運転管理の品質を向上。
3.運転状態の評価
ごみ処理量、排ガス中有害成分濃度、ユーティリティ使用量などの、運転管理上重要な指標について週単位で評価し、各施設に対して週間レポートを発行。運転状況の把握及び管理を週単位で行うことで、設備異常などを早期に改善。
4.運転状態の評価
ごみ焼却施設のオペレータによる手動介入時に、標準に則った操炉を行っているかを週単位で評価。適切な手動介入が行われるように各施設のオペレータの育成を行うとともに、オペレータの知見も取り入れ、定期的に操炉標準を改定。
羽田テクニカルサポートセンターの
主なサポート内容
1.制御調整の効率化
専門技術者が現地に赴いて調整作業を行っていたプラントの自動制御に係る様々な制御パラメータの設定や調整作業を、専門技術者が羽田テクニカルサポートセンターで調整を行うことで、制御調整を効率化。
2.運転状態評価の高度化
BI(Business Intelligence)ツールを活用した運転状態評価支援システムを開発することで、藤沢遠隔サポートセンターで行っている運転状態の管理指標の定量的評価及び改善提案の作業を効率化・標準化。
3.ウェアラブルカメラによるメンテナンス支援
各施設のオペレータや保全員が装着するウェアラブルカメラからの映像・音声を、羽田テクニカルサポートセンター側の専門技術者とリアルタイムに共有。各施設に対して遠隔での点検サポートや緊急時のメンテナンスサポートを提供することで、機器の故障時など、迅速に対応することが可能となり、計画外停止などのトラブルを回避。