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荏原環境プラント・宇部興産による日揮グローバルとのEUPライセンス実施許諾権契約締結のお知らせ
荏原環境プラント株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役社長:渡邉良夫 以下:荏原環境プラント)は、このたびEUP(Ebara Ube Process)を活用した廃プラスチックのガス化ケミカルリサイクルに関して、共同ライセンサーである宇部興産株式会社(本社:山口県宇部市、社長:泉原雅人、以下「宇部興産」)と共に、日揮グローバル株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:山﨑裕)とEUPのライセンス実施許諾権契約を締結しましたのでお知らせいたします。
1.背景
今後、世界的にサーキュラーエコノミー※1の実現に向けた動きがさらに加速していくことが予測される中、3社は2019年7月からEUPを通じた協業について検討を進めてまいりました。荏原環境プラントは、本ライセンス契約を通じて、廃プラスチックのガス化ケミカルリサイクルとしてEUPの普及・促進をはかるとともに、国内外における廃プラスチック問題の解決に積極的に取り組んでまいります。
2.EUP(Ebara Ube Process)について
昨今、世界的な社会課題となっている廃プラスチック問題への対応において、廃プラスチックのケミカルリサイクルは、他の手法ではリサイクルが困難である異種素材や不純物を含む廃プラスチックを分解し、アンモニアやメタノール、オレフィン等、様々な化学品に再生することにより、プラスチックやゴム、化学繊維の原料として再び活用することを可能とし、廃プラスチックリサイクル率の大幅な向上に貢献する手法として期待されています。荏原環境プラントと宇部興産が開発したEUPは、廃プラスチックを酸素と蒸気により部分酸化※2することでガス化し、化学品合成に利用可能な合成ガスを製造するプロセスです。2003年から昭和電工株式会社 川崎事業所においてEUPを採用したガス化設備(廃プラスチックの年間処理量約7万トン)が稼働しており、ガス化ケミカルリサイクル用途では世界で唯一の長期商業運転を継続しています。
荏原グループは、2020年に長期ビジョンである「E-Vision2030」を定め、「技術で、熱く、世界を支える」をスローガンに、ESG経営やSDGsへの寄与を通じて持続的に社会に貢献する取組みを開始しています。その中で、2030年のありたい姿として、2030年までに約1億トン相当の温室効果ガスの削減を目標に掲げており、今回のライセンス実施許諾権契約の締結は、目標達成に向けた荏原環境プラントとしての大きな一歩となります。
荏原環境プラントは、今後もケミカルリサイクル技術や製品の提供を通じ、気候変動問題や廃プラスチック問題の解決に取組むことにより、持続可能な社会の構築に貢献します。
※1 サーキュラーエコノミー:廃棄されていた原材料や製品などを新たな「資源」と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組み
※2 部分酸化:化学反応の一つ、ガス化炉内で廃プラ等の炭化水素系燃料と空気の混合物が部分的に燃焼されることにより、水素に富んだガスが生成されるプロセス