
Time Signalエバラ時報ライブラリー
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秋田県横手市向け 一般廃棄物処理施設「クリーンプラザよこて」の建設
秋田県横手市に新統合ごみ処理施設である「クリーンプラザよこて」を納入し,2016年3月末に竣工した。本施設は,熱回収施設とリサイクルセンターで構成される。熱回収施設では,当社最新式のエバラHPCC21型ストーカシステムを採用して1.3以下の低空気比で運転し,かつ,ボイラの蒸気条件を4 MPa×400 ℃と本施設規模では国内最高レベルの高温高圧化を図ることで,約20%と非常に高い発電端効率を達成した。リサイクルセンターでは,鉄やアルミ等に関して98%を超える高い純度で資源回収できることを確認した。また本施設では,冬期間に貯蔵した雪を夏季の冷房に利用する雪室や,太陽光発電といった自然エネルギーを積極的に導入している。さらには,災害時に後方支援拠点として機能するよう,十分な居住空間と必要な備蓄品を確保していることも大きな特長である。
高度排ガス処理付き焼却炉設備の納入・運転状況-江蘇省南京市-
中国江蘇省南京(ナンジン)市に処理規模2000 t/d(500 t/24 h×4基)のストーカ式焼却炉を納入し,2016年3月に性能試験を完了した。荏原環境プラント(株)及び青島荏原環境設備有限公司は,現在までに中国大陸において,既に流動床式焼却施設2件,ストーカ式焼却炉5件の合計7件の納入実績があり,その内3件についてエバラ時報で報告した。本焼却炉はそれらに続く8件目であり,施設規模が最大のプラントとなる。
中国で求められるごみ焼却技術は年々高度化し,2014年には中国の国家基準が改定され,ごみ焼却施設の排ガス規制値が強化された。本稿では,厳しい排ガス規制値に対応するため採用した高度な排ガス処理設備の運転状況,性能試験結果等について報告する。
第2報 高温腐食の基礎Ⅱ(防食法,コーティング)
本報では,高温腐食基礎講座の2報目として,高温腐食を防止するための基本的な考え方と,防食法としてのコーティングについて概説した。耐高温腐食性を維持するには,保護性酸化皮膜をいかに安定に合金表面に形成し,維持するかがポイントとなる。保護性酸化皮膜の形成/維持に大きな影響を与える材料側因子として,ステンレス鋼を例に,合金組成,合金組織の影響,及び酸化皮膜の密着性について述べ,環境側因子として,ガス雰囲気,温度,及びガス流れの影響について述べた。また,環境機器/エネルギー機器によく利用されるコーティングとして,主に拡散処理法と溶射法について概説した。
第1報 高温腐食の基礎Ⅰ(基礎となる理論)
本号から6回の予定で「腐食防食講座」を連載し,高温度食に関する基礎から当社が行った実機での腐食・防食技術の開発を解説する。本報では,高温腐食の基礎理論を解説した。高温腐食は熱力学と固体中の拡散現象に支配されており,最も重要な法則として,放物線速度則が挙げられる。腐食は腐食生成物(皮膜)中を物質が移動することによって進行するため,腐食速度は皮膜の厚みに反比例する。つまり腐食生成物が腐食を防ぐ役割を果たすため,防食効果の高い皮膜を形成させることが防食の鍵になる。この皮膜生成に対する各因子の影響を概説した。
中国向け大型ストーカ式焼却炉設備の納入・運転状況-江西省南昌市-
中国江西省南昌(ナンチャン)市に処理規模1200 t/dのストーカ式焼却炉を納入し,2015年8月に性能試験を完了した。荏原環境プラント(株)及び青島荏原環境設備有限公司は,現在までに中国大陸において,既に流動床式焼却施設2件,ストーカ式焼却炉3件の合計5件の納入実績があり,その内2件のストーカ式焼却炉についてエバラ時報で報告した。本焼却炉はそれらに続く6件目であり,現在建設・試運転中の設備も含め,荏原グループのストーカ炉として1炉当たり最大処理規模である。
本稿では,スケールアップへの設計上の工夫・改良点,排ガス再循環の採用によるNOx抑制効果,現在までの運転状況・性能試験結果について報告する。
中国向け大型ストーカ式焼却炉設備の納入・運転状況-福建省しょう州市-
中国福建省漳州(チャンジョウ)市に処理規模1050 t/d(525 t/24 h×2基)のストーカ式焼却炉を納入し,2014年9月性能試験を完了した。荏原環境プラント㈱及び青島荏原環境設備有限公司は,現在までに中国大陸において,既に流動床式焼却施設2件,ストーカ式焼却炉2件の合計4件の納入実績があり,山東省威海(ウエハイ)市向けストーカ式焼却炉についてエバラ時報で報告した。この焼却炉はそれらに続く5件目であり,当社ストーカ炉としては最大処理規模である。中国のごみの特徴は日本のごみと比較して発熱量が低いことであるが,先行実施した焼却炉の経験を生かし,炉及びシステム設計の一部を改善したことによって,更なる安定運転を実現できた。
本稿では,設計改良した点及び現在までの運転状況・性能試験結果について報告する。